DEATH FROM ABOVE 1983

陰鬱音楽集
<< March 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
 
CATEGORIES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
PROFILE
 
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | | - | -
KLAUS SCHULZE 「kontinuum」
klausschulze1

★★★

2007年最新作。全3曲75分収録と、大作を好む作風は相変わらずだ。音の方もある意味では典型的とも言える「シュルツェ節」を継承しており、割と無難な感じはする。ただ、ここで聴けるシュルツェ節というのは、最近のデジタル・ビートを多用した「踊れる」作品のものではなく、70年代の暗く美しい「浸れる」作品のものであるということは書いておかねばなるまい。要するに、新機軸は何もないけれど、一番素晴らしかった時期の音が戻ってきているということなのだ。上で「ある意味では」と書いたのはそういうこと。

1曲目は、「蜃気楼」を思い起こさせる透明な音の結晶がミニマルに響き渡る冒頭からしてとにかく美しい。後半になると地響きのような低音と不穏なストリングス・シンセが加わり、かつての作品で聴けた不気味な風景が蘇る錯覚すら覚える。2曲目も重低音とストリングス・シンセの組み合わせからスタート。徐々に抑制された歌声やシーケンサーによるリズムが絡み始め、音に熱が籠り出す。とはいえ、ここでも音の質感は限りなくダーク。「イルリヒト」、「サイボーグ」程とは言えないまでも、「ムーンドーン」、「デューン」級の暗さは確かに存在する。3曲目は、轟く雷鳴の音で幕を開ける。このアルバム中最もリズムの要素が強いが、それでも高揚感はない。内に籠る鼓動のようなリズム。徐々に音は霧を思わせるアンビエント・サウンドに収斂していき、雷鳴の音と共に幕を閉じる。

全体のトーンはダークな色彩に統一されており、近作にあった取っつき易さは全く感じられない。そうした作風ゆえ、どうしてもバラエティに乏しくなりがちで、ものすごく地味に思えてしまう。即効性も薄い。だからこそ、聴きこまなければ真価は分かりそうもない。この評価の低さはそういった意味である。決して悪いわけではない。70年代に近いとはいえ完全な焼き直しでもない。非常に長く付き合っていかねば評価できない作品だという予感がする。
スポンサーサイト
- | 21:55 | - | -
コメント
コメントする









 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://jerusalem.jugem.jp/trackback/434
 

Copyright (C) 2004 paperboy&co. All Rights Reserved.

Powered by "JUGEM"